いしかわスマートアグリプラットフォーム

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現地レポート

【記事】ぶどう園における自律走行型の草刈機の実証試験を実施しています。

「いしかわスマートアグリプラットフォーム」が6月から取組む、ぶどう園における自律走行型の草刈機の実証試験をご紹介いたします。

実証試験を実施している園では、従前、乗用草刈機を使用して園内の除草作業を行っており、複数の園を管理する生産者にとって当該作業が大きな負担となっていました。
このため、この実証試験では、園内で自律走行型の草刈機をほぼ毎日稼働させ、除草作業の省力化等の効果を確認することとしております。

今回、実証に参加している生産者から、自律走行型の草刈機を使用した効果や意見を伺いました。

実証試験を実施している園は、約30aの広さがあり、樹高低く栽培されているため、園内での人による作業は腰をかなり屈めて行う必要があります。
8月1日(火)に園に行くと、ちょうど草刈機が自律走行により、一旦、充電器に戻ってくるところでした。
園内の状況は、下草が短く刈り込まれ、すっきりと歩きやすくなっていました。

自律走行型の草刈機を導入する前後で、除草作業に関する身体的・心理的負担にどのような変化があったのでしょうか?
導入に関する意見も含め、生産者の方からコメントをいただきました。

【従前】

  • 除草作業が追い付かないときは、園内の雑草が腰丈まで伸びる。中に立ち入る時は生い茂る雑草を踏み分けて進むような状況になっていた。
  • 雑草が生い茂る園に行くこと自体が億劫になり、あまり足を運ばなくなることもある。
  • このため、園内の除草作業は、乗用草刈機を使い年3~4回程度実施しなければならないが、他の作業もあり負担だった。

【導入後】

  • 常に園内が除草されている状況になり、これまでの除草作業に手を取られることが減った。
  • 草刈機が自律走行できる環境を維持するために、園内の整理整頓にも気を配るようになった。
  • 除草作業が減った分、本来の栽培に関する作業に注力することができるようになった。
  • 園へ行くことに対する億劫さが解消された。

【導入に関する意見】

  • 草刈機の導入時に、機械が自律走行できるように、一旦、園内の雑草をきれいに人の手により刈り取り、地面に置かれていた資材などを整理整頓しなければならなかったのが大変だった。最初にきれいにした園を機械で維持しているような感覚である。
  • ぶどうの苗木を守るような工夫が必要。例えば、苗木の周りを木材で囲い、機械が苗木を刈り取らないようにしている。
  • 導入コストとのバランスは今後も検証していきたいが、今の時点では、この草刈機を使用して概ね満足している。

お話しを伺っている中で、除草作業の減少という「身体的な楽さ」とともに、園に行くことに対する億劫さの解消といった「心理的な楽さ」も感じられているということが印象的でした。